生活習慣病とは
生活習慣病には、高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などがあり、いずれも不摂生な生活習慣の関与が大きいと言われています。それぞれの疾患はともに、放置すると動脈硬化を引き起こし、心臓病や腎臓病、脳梗塞などの重篤な疾患につながります。
現時点でかかっている病気が一つでも、それぞれの疾患原因には共通点が多いため、相乗効果で他の生活習慣病を発症したり、それによりさらに動脈硬化を進展させます。
生活習慣病リスクの高い方
- 食事:動物性脂肪の多い食事、過食、アルコールの摂りすぎ、緑黄色野菜やミネラルを含む海藻類の不足
- 喫煙される方(HDLコレステロール不足で動脈硬化が進む)
- 運動不足の方(中性脂肪の増加に繋がる)
- 甲状腺疾患
- 脂質異常症以外の生活習慣病(高血圧や、糖尿病などがあると、相乗効果で動脈硬化が進展します)
このような対策もあります
- 食生活の改善
- 1口を小さくしてよく噛む
- 野菜から食べる
- タンパク質を摂る
- 小分けメニューを選ぶ
- 食事リズムを整える
1口を小さくしてよく噛む
お腹が空くと大きな口でご飯をかきこみがちです。満腹中枢は食後20分ほどして働き始めるため、ひと口を小さくして30回ほど噛むことで満腹感が得られやすくなります。まずは1口5回ずつ増やすなど、やれることから取り組みましょう。
また、大きめ1口のご飯は約50g(約80kcal)のため、毎食ひと口分ずつ減らすと、1日3食で約240 kcalのカロリーカットとなります。1カ月続ければ、トータルで7200 kcalとなり、脂肪約1㎏分の減量に相当します。
野菜から食べる
糖質と言えばお菓子やジュースなどの甘いものが頭に浮かびますが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物に多く含まれています。
また、一見ヘルシーに見える春雨や、フルーツ、芋・カボチャなどの根菜類、ノンオイルドレッシング・ケチャップ・みりん・ポン酢などの調味料にも多く含まれています。糖質過多は血糖値を上げ、余分な血糖は中性脂肪に変換されて肥満の原因になります。
最初に野菜・きのこ・海藻類から食べて、ある程度お腹を満たしてからご飯やパンを摂るようにすると、カロリーカットだけでなく、野菜に含まれる食物繊維の働きで糖質の吸収が穏やかになります。
タンパク質を摂る
タンパク質は筋肉や各種ホルモンの材料として必要不可欠ですが、日本人に不足しやすい栄養素の一つです。1日摂取量の目安は、体重1㎏当たり1g。60㎏の人なら60gです。
タンパク質を構成するアミノ酸の種類は食品によって異なるため、肉だけに偏らず、魚、卵、乳製品、大豆製品などできるだけ幅広い食品から摂るようにしましょう。
※腎臓病を指摘されている方は、ステージごとに摂取目安量が変わるため、医師にご相談ください。
小分けメニューを選ぶ
ラーメン・うどんなどの麺類や、カレーライス・丼ものなどの一品料理はどうしても糖質過多となります。
定食などの品数の多いものにするか、一品料理にサラダや小鉢を追加するなどの工夫も有効です。その際はトータルカロリーを考えて、ご飯の量を減らすことも検討します。
食事リズムを整える
1日3食を心がけましょう。定期的な食事摂取は腸の動きを整え、便通改善に効果的です。
また、食事を抜くと空腹時間が長くなり、体が飢餓状態と判断して余分に糖質を吸収します。また、急な血糖の上昇は糖尿病リスクを高めます。食事が取れない時は、ナッツやチーズ、ヨーグルトなど、少しずつでも口にして空腹時間を短くする工夫をしましょう。
また、寝る前はカロリー消費が減るため脂肪が蓄積しやすくなります。それだけでなく、寝る前にたくさん食べると、胃の中の食べ物や消化液が逆流しやすくなり、逆流性食道炎や胃炎の原因となります。夕食が遅くなる場合も、トータルカロリーが上がらないように気をつけながら、夕食前の軽食を取り入れることも検討されます。
朝食を摂る習慣には便通を整えて腸内環境をよくする効果や、睡眠・覚醒のリズムをつくって睡眠の質を高める効果もあります。
早めの対策を
心がけてください
生活習慣病は、初期には自覚症状が出にくいため見過ごされがちです。
一つひとつは軽症でも、いくつもの疾患が重なることで重篤な疾患に発展し得るため、こうした深刻な状況に陥らないよう、目立った自覚症状がない段階から生活習慣病を改善するための対策を講じていきましょう。
当院では、患者様にとって身近なかかりつけ医として、生活習慣病の診断・管理を行います。
このような方は
ご相談ください
- 健康診断で血圧や血糖値などの異常を指摘された
- 20歳のころよりも体重が10㎏以上増えた
- タバコを吸う
- お酒をよく飲む
- 清涼飲料水をよく飲む
- 定期的な運動をほとんどしていない
- 移動の際には車を使うことが多い
- 睡眠時間が不足している
- 脂っこい料理をよく食べる
- 濃い味付けが好きで、塩分を摂りすぎる
- 満腹になるまで食べてしまう
- など
主な生活習慣病疾患
高血圧
心臓から血液が送られる際に血管壁にかかる圧力のことを「血圧」と言います。
高血圧とは、この血圧が基準値よりも高い状態が慢性的に続いてしまう病気です。
高血圧の原因
大きく2種類に分類されています。
- 本態性高血圧
- 特定の疾患がないにも関わらず、血圧が高くなったものです。日本人の高血圧の大部分を占めます。塩分過多や肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝等の複数の要因がかかわっていると考えられています。
- 二次性高血圧
- 特定の疾患が原因となって血圧が高くなったものです。高血圧全体の一部を占めます。甲状腺や副腎など血圧の調節に関わるホルモンの病気、睡眠時無呼吸症候群による慢性的な心臓への負担等が原因として挙げられます。
主な症状
なお、高血圧になっても、初期の段階ではほとんど自覚症状がみられません。
しかし、常に負荷をかけた状態で心臓から血液を送っているため、血管壁もそれに耐えられるよう硬くなります。さらに病状が悪化すると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの重い病気が併発するリスクが高まります。
- 診察室での血圧 130/80mmHg未満
- 家庭での血圧 125/75mmHg未満
※日本高血圧学会が発表した最新の「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025 )」では、年齢や持病に関わらず、上記のように降圧目標が厳格化されました。
高血圧の対策
- 食事
- 肥満の是正
- 節酒・禁煙
- 運動
①食事
減塩
高血圧治療ガイドラインでは、1日6g未満が推奨されています。
野菜や果物を摂取する
野菜や果物に含まれるカリウムが体内のナトリウムを排泄し、血管の緊張を和らげて血圧を下げます。
| 食品 | カリウム含有量 (100gあたり) |
備考 |
|---|---|---|
| バナナ | 約360mg | 手軽に摂取可能 |
| ほうれん草 | 約690mg | ゆでても豊富 |
| トマト | 約210mg | サラダにもおすすめ |
| じゃがいも | 約410mg | 加熱しても比較的残る |
| 大豆製品(納豆・豆腐) | 約500~700mg | 良質なたんぱく源 |
| みかん・キウイ | 約250~300mg | 果物からも補給可 |
- ※カリウム摂取量について
- 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、18歳以上の1日あたりのカリウム推奨摂取量は、目安量として男性が2,500mg、女性が2,000mg、生活習慣病予防を目的とした目標量として男性が3,000mg以上、女性が2,600mg以上に設定されています。カリウムを増やすことが高血圧予防の大切なポイントになります。
- ただし、腎機能が低下されている方はステージによって摂取可能量が異なりますので、当院へご相談ください。個別に対応いたします。
魚(魚油)の摂取
青魚・エゴマ油・アマニ油などに多く含まれるEPAやDHAなどは「n3多価不飽和脂肪酸」と呼ばれ、降圧効果があります。不飽和脂肪酸は体内で生成できませんので、食事やサプリメントで補いましょう。
②肥満の是正
BMI25以上の肥満は高血圧の危険因子となります。カロリーコントロールと定期的な運動でBMI 22を目指します。
③節酒・禁煙
飲酒習慣は血圧上昇の原因のひとつです。また喫煙は動脈硬化の原因のひとつであり、促進因子でもあります。節酒・禁煙をこころがけましょう。
④運動
運動は血管内皮機能を改善することから、降圧効果が確認されています。逆に運動量の低下は、脳梗塞や心筋梗塞など心血管疾患の発症リスクを上昇させます。生活習慣の改善のひとつとして、積極的に運動を取り入れましょう。
健康診断などの血圧測定で130/80mmHg以上の方は、なるべく早い段階での介入(生活習慣の見直しや内服治療)が必要になりますので、まずは当院にご相談ください。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中に含まれるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が多すぎる、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なすぎる病気です。
コレステロールは、細胞の膜やホルモンを作るために欠かせない大切な成分です。悪玉と呼ばれるLDLコレステロールも、全身へ栄養や成分を運ぶ役割を持っています。ただし、血液中に増えすぎると血管が硬くなり、動脈硬化を経て様々な疾患の原因に繋がります。推定患者数は220万人ともいわれており、年々増えています。
診断基準
| LDLコレステロール値 | 140mg/dL以上 |
|---|---|
| 中性脂肪 | 150mg/dL(空腹時) |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
| non HDLコレステロール | 170mmHg以上 |
なお、上述の各数値になったとしても、ほかの多くの生活習慣病と同じように、初期の段階では目立った自覚症状がありません。
しかし、放置していると動脈硬化が進行し、やがて心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因となります。なるべく早い段階で医療機関を受診し、生活習慣の改善などに取り組むことが大切です。
主な症状
脂質異常症の初期段階では、自覚症状がないことがほとんどです。しかし、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
- 胸痛
- 息切れ……虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)
- 頭痛
- めまい……脳卒中(脳梗塞や脳出血)
- 歩行障害
- 手足のしびれ……抹消動脈疾患(足など、抹消の細い血管が詰まる)
特にこれらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です
主な原因
- 遺伝的要因
- 生活習慣
①遺伝的要因
家族性高コレステロール血症(FH)などが挙げられます。通常、血液中のLDLコレステロールは肝臓の表面にある「LDL受容体」というタンパク質に結びついて肝臓に取り込まれます。この受容体や関連タンパク質に遺伝子変異があると、LDLがうまく回収されずに血液中に長くとどまってしまいます。
生まれつき血液中のLDLコレステロールが非常に高くなり、若いうちから動脈硬化が進んで心筋梗塞などを起こしやすくなる遺伝性の病気です。約300人に1人の割合で見つかる、比較的多い遺伝性の病気です。
黄色腫(おうしょくしゅ)というコレステロールの溜まった隆起がアキレス腱や手の甲、ひじ、ひざなどにできることがあります。その他はコレステロール値が高いこと以外に目立った普段の症状はほとんどありません。
②生活習慣
- 過食や肥満
- 運動不足
- 喫煙
- アルコール摂取過多
- ストレス
お腹に脂肪がついた内臓脂肪型肥満の方はLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。
女性ホルモンはHDLを増やし、LDLの過剰分泌を防ぎます。よって女性は、女性ホルモンが低下し出す更年期(50歳前後頃)から注意が必要と言われています。
男性は年齢に関わらず注意が必要です。
また、タバコはHDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールの酸化を促して血管壁を傷つけるため、動脈硬化がより進展します。
脂質異常症の対策
以下内容を意識しましょう。
- 飽和脂肪酸(肉の脂身やバター、ラード、生クリーム等)を控える
- 甘いもの、お酒、糖質の摂取量に気を付ける
- ビタミンC・Eを多く摂る
- 魚、食物繊維、大豆食品を積極的に摂る
中性脂肪が高い人は、甘いもの、アルコール、油もの、糖質等の摂取過多が原因であることが多いため、摂取量を見直すようにし、青魚を積極的に摂取するようにしましょう
糖尿病
血液の中に含まれるブドウ糖の濃度を「血糖値」と言います。
糖尿病は、この血糖値が慢性的に高い状態になる病気です。何年間も高いまま放置されると、血管が傷ついて将来的に心臓病や脳梗塞、失明、腎不全、足の切断、認知症といった、より重い病気に進展する可能性があります。
主な病態と原因
病気のメカニズムとして主なものは、インスリン抵抗性とインスリンの分泌不足です。
インスリン抵抗性
インスリン抵抗性とは、インスリンの作用する部分が機能低下を起こすことで、上がった血糖値が下げられない状態のことを指します。
主な原因
- 内臓脂肪の蓄積・肥満
- 食べ過ぎや運動不足で内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から遊離脂肪酸やTNF-αなどの悪玉アディポサイトカインが分泌されて、インスリンの働きが妨げられてしまいます。
- 生活習慣の乱れ
- 運動不足による筋肉量の低下、高脂肪食、慢性的なストレス、睡眠不足なども要因になります。
インスリン分泌不足
インスリン分泌不足とは、膵臓の機能低下により、必要なインスリン量が分泌出来なくなることです。
主な原因
- 罹患歴が長くコントロールの悪い2型糖尿病
- 日本人の場合、不摂生な生活習慣の積み重ねによって起こる事が多いです。その結果、ブドウ糖が細胞内に取り込まれず、血液中で高血糖が続きます。体は血糖値を下げようとしてさらに多くのインスリンを分泌するため、血中インスリン濃度が高い状態になります。この状態が長く続くと、やがて膵臓が疲弊し、インスリンの分泌量が不足してしまいます。
- 免疫の異常や遺伝
- 自分で自分の体を攻撃してしまう病気を自己免疫性疾患といいます。
1型糖尿病では、自分の免疫が膵臓を攻撃することで、インスリンが分泌されなくなる病気です。 - その他
- 体質や遺伝的要因も関わっています。
症状と合併症
多尿や頻尿、喉の異常な渇き、倦怠感、体重減少などの症状がみられるようになります。さらに進展してくると、細い血管が傷つくことで糖尿病三大合併症を引き起こします。
3大合併症(細小血管症)
- 神経障害
- 最も早く現れやすく、手足のしびれ、痛み、感覚の鈍さ、こむら返りなどが起こります。
- 網膜症
- 目の網膜の血管が傷つき、視力低下や失明に至るリスクがあります。
- 腎症
- 腎臓の機能が低下し、進行すると人工透析が必要になります。日本の新規透析導入の原因の第1位です。
- その他の合併症
- それ以外にも、動脈硬化が進展することで、下記のような疾患につながっていきます。
慢性合併症
- 大血管障害:太い血管の動脈硬化が進み、突然命を脅かす発作を引き起こします。
- 脳血管障害:脳梗塞や脳出血
- 虚血性心疾患:心筋梗塞や狭心症
- 末梢動脈疾患:足の血管が詰まり、最悪の場合は組織が壊死して切断を迫られます。
- その他の合併症:歯周病、感染症にかかりやすくなる、認知機能低下、骨粗しょう症など。
急性合併症
糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群
著しい高血糖状態となり、脱水や昏睡を引き起こします。
主な原因
感染症や体調不良、糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けたりすることによります。1型糖尿病となりインスリンが枯渇することによっても引き起こされます。
低血糖
血糖値が下がりすぎて、冷や汗、めまい、動悸などを起こす。
主な原因
- 薬の影響:インスリン注射や特定の飲み薬(血糖降下薬)の効きすぎ
- 使用量の誤り:薬やインスリンの量が多すぎた
- タイミングのずれ:薬を使ったあとに食事を抜いた、または遅れた
糖尿病以外(生活習慣など)の原因
- 食事の乱れ:極端な食事制限、糖質不足、食事の間隔が空きすぎること
- 激しい運動:空腹時や長時間の運動によるエネルギー(糖質)の大量消費
- アルコール:大量の飲酒や空腹時の飲酒による、肝臓での糖の生成抑制
- 反応性低血糖:食後の急激な血糖値変動(血糖値スパイク)に伴うインスリンの過剰分泌
- 病気や腫瘍:ホルモンの異常や膵臓の腫瘍(インスリノーマ)など
診断基準(日本糖尿病学会より)
糖尿病型
次のうち、いずれか1つでもある場合
- 空腹時血糖値:126mg/dL以上
- ブドウ糖負荷(75gOGTT)*1 後2時間の血糖値:200mg/dL以上
- 随時血糖値(食事と採血時間の関係を問わず測定した値):200mg/dL以上
- HbA1c(血中の糖化ヘモグロビンの割合):6.5%
*1 75gOGTT:インスリンの量や効き具合をみる検査方法。後述する検査の項目にて、詳しく解説しています。
境界型
境界型と正常型のどちらでも当てはまらない。しかし、この段階から動脈硬化のリスクは高まるため、生活習慣の改善が必要です。
正常型
下記のどちらも満たす場合
- 空腹時血糖値:110mg/dL未満
- ブドウ糖負荷2時間後血糖値:140mg/dL未満
糖尿病と診断するには
糖尿病型を2回確認した場合
※血糖値での確認が1回以上必要。複数回検査してもHbA1c結果だけではNG。
血糖値での糖尿病型判定+慢性高血糖症状の存在がある場合
以下のいずれかの慢性高血糖症状がみられる場合には、1回の検査でも確定診断となります。
- 糖尿病の典型的な症状(多尿・口渇・体重減少など)
- 確実な糖尿病網膜症
過去に糖尿病と診断されている場合
現時点での血糖値が糖尿病型以下であっても、糖尿病として対応します。
糖尿病になっても、初期の段階では他の生活習慣病同様に、自覚症状に乏しいことがあります。他の生活習慣病と同様に、放置したりコントロールが悪い状態が続くと、動脈硬化から様々な疾患を引きおこす恐れがあるため、早めの治療介入が必要です。
血糖値が指摘された方やコントロールがうまくいかない方は、当院へご相談ください。
高尿酸血症
健康な人でも、血液中には微量の尿酸が含まれていますが、何らかの原因で尿酸が増えすぎてしまうことがあります。
これに伴って尿酸値が7.0mg/dL以上になると、「高尿酸血症」と診断されます。
(痛風にかかったことのある方は、尿酸値5.0~6.0mg/dl が推奨されています。)
尿酸は水にとけにくいため、血中に含まれる量が増えると、針状の結晶をした尿酸塩になります。
この尿酸塩が足の親指の付け根付近などに溜まると、激痛を伴う痛風発作が起きることがあります。
主な症状
なお、痛風による痛みは何とも耐えがたいものですが、多くの場合、1~3日で痛みが引いていき、1週間ほどで症状がなくなります。
しかし、高尿酸血症が治癒したわけではないので、再び痛風発作が起こることも多いです。さらに、放置することで動脈硬化を進展させ、脳梗塞や心筋梗塞、腎不全などの重篤な疾患のリスクとなりますので、自覚症状がなくても、きちんと治療する必要があります。
メカニズム
- 血管への沈着
- 血液は全身に流れているため、関節だけでなく冠動脈や大動脈などの血管壁にも尿酸結晶が蓄積します。
- 免疫の活性化
- 血管に溜まった結晶が免疫のスイッチ(NLRP3インフラマソーム)を押し、炎症性物質を放出して血管を傷つけます。
- プラークの不安定化
- 血管内のプラーク(こぶ)が破れやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な発作につながるおそれがあります。
治療の重要性
日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは、結晶を溶かして血管を守るため、尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことが目標とされています。
痛風になったことがある、尿酸値が高いと言われた方、既に治療中の方も、ぜひご相談ください。早めの治療介入が肝要です。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪が溜まって下腹部がぽっこり出てくる内臓脂肪型肥満の方は、血圧、血糖、脂質異常を来たしやすく、その結果、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が重なりやすいことがわかっています。
診断基準
必須条件:内臓脂肪型肥満(腹囲)
おへその高さの腹囲が以下の基準を超えること。
- 男性:85cm以上
- 女性:90cm以上
選択項目(3項目のうち2つ以上)
腹囲の条件に加え、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準値を超えている状態です。治療薬を使用している場合も該当します。
- 血圧:最高130mmHg以上 / 最低85mmHg以上
- 血糖:空腹時血糖110mg/dL以上 / HbA1c 6.0%以上
- 脂質:中性脂肪150mg/dL以上 / HDLコレステロール40mg/dL未満
メタボリックシンドロームに該当する方は、高血圧や糖尿病などの診断基準を満たしていなかったとしても、動脈硬化が進展しやすくなり、ひいては心筋梗塞や脳血管障害など、生命にもかかわる心血管事故が起こるリスクが高くなります。
当院ではダイエット外来も行っておりますので、ご相談ください。健康状態や既往歴、内服薬などを加味した上で、最適なプランをご提案いたします。