ピロリ菌とは

ピロリ菌検査イメージ

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、胃内でも生息することができる病原微生物の一種です。
胃の中は強い酸性の胃酸が常時分泌されているため、一般的な細菌には生きにくい環境です。しかし、ピロリ菌は胃内の環境がまだ整っていない幼少期に入り込み、その後はウレアーゼという酵素を産生して胃酸を中和させるため、なかなか死滅しません。

ピロリ菌を放置していると

ピロリ菌に感染しても自覚症状があまりないため、患者様自身は気づいていないケースが多いです。
しかし、放置していると、胃に慢性炎症が起きて、胃の内壁などの防御力を弱めてしまいます。

具体的には、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの消化器疾患を発症しやすくなります。
そのため、ピロリ菌の感染が疑われる場合は内視鏡などを用いた検査を行い、感染が確認されたら速やかに除菌治療を行うことが推奨されています。

ピロリ菌が関係する主な疾患

慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃MALTリンパ腫 など

検査・治療

ピロリ菌の有無を調べる検査にはいくつかの種類がありますが、大きく「胃内視鏡を用いたピロリ菌検査」と、「胃内視鏡を用いないピロリ菌検査」があります。

このうち内視鏡検査による検査は、主に以下の3つがあります。

内視鏡検査(胃カメラ)を用いるピロリ菌検査

培養法
採取した胃粘膜をすり潰し、5~7日間かけて培養して調べる方法です
迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌に存在するウレアーゼという酵素が生成するアンモニアの有無から判定する方法です
組織鏡検法
胃粘膜の組織をヘマトキシリン・エオジン染色やギムザ染色し、顕微鏡でピロリ菌の有無を観察する方法です

内視鏡検査を用いないピロリ菌検査

尿素呼気試験
呼気に含まれる二酸化炭素の量を測定することにより、ピロリ菌が存在するか否かを測定するものです
便中抗原測定
便を採取し、抗体の原因成分であるピロリ菌の有無を調べる方法です
尿中抗体測定
尿検査によって、尿に含まれるピロリ菌の抗体の有無を診断する方法です
血液検査
血液を採取し、ピロリ菌を排除するために生成された抗体の有無を調べる方法です

治療の流れ

それぞれの検査には得手、不得手があります。スクリーニングには血液検査、除菌後の確認検査には便中抗原測定や尿素呼吸試験測が有用です。
検査の結果、ピロリ菌の感染が確認されたときは、除菌治療が必要になります。

  1. 一次除菌
    使用するお薬の種類は、プロトンポンプ阻害剤やP-CABと言う胃酸を抑える薬と、2種類の抗生物質の計3種類になります。
    必要なお薬を朝夕の1日2回、1週間服用していき、
  2. 二次除菌
    一次除菌後、おおむね1か月後に除菌判定の検査を行います。
    この判定でピロリ菌が残っていたときは、お薬の種類を代えて再び1週間内服し、その1か月後に除菌判定を行います
  3. 三次除菌(自費診療)
    二次除菌でも退治できなかったときは、自費診療となりますが、三次除菌を検討します。
    なお、除菌薬を服用することで、下痢、発疹、肝機能障害、出血性大腸炎などの副作用が現れることもあるため、副作用と思われる症状が出た方は当院へご連絡ください。

保険適応となる条件

ピロリ菌の除菌治療は、胃内視鏡検査で胃・十二指腸潰瘍や慢性胃炎などを認めた場合に保険適用となります。
従って、胃カメラ検査を行わずに保険診療でのピロリ菌治療を実施することは原則として認められていません。
この場合は、自費診療にて対応いたします。