睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)イメージ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に無呼吸の状態が繰り返し起こってしまう病気です。
具体的には、睡眠時1時間あたりで10秒以上の呼吸停止もしくは低呼吸状態が5回以上ある場合に診断されます。

この病気は睡眠中に主な症状が起こるため、患者様ご自身は自覚されていないケースも多いのですが、実際にはとても多くの患者様がいらっしゃいます。
とくに40歳~50歳代の男性、閉経後の女性はリスクが上がると言われています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と合併症

睡眠時無呼吸症候群を放置していると、様々な合併症のリスクが高まります。

不眠、頭痛、排尿障害、慢性疲労

睡眠中に呼吸が一時停止すると、脳に供給される酸素が低下するため、脳は体を覚醒させて呼吸の再開を図ります。しばらくすると呼吸は再開しますが、その後また無呼吸の状態に陥ります。 「寝ては起こされる」と言うサイクルが繰り返されることで睡眠の質が低下し、中途覚醒、夜間頻尿、起床時の頭痛などが引き起こされます。

高血圧、心筋梗塞

しばらく息こらえをすると苦しくてドキドキするように、呼吸が一時停止することで交感神経の働きが強まります。そうすると心臓に負担がかかり続け、高血圧や心筋梗塞などの発症リスクを高めます。

肥満、糖尿病

睡眠が何度も分断されると、脳内のホルモンバランスが崩れます。

  • レプチン(食欲を抑えるホルモン)が減少
  • グレリン(食欲を高めるホルモン)が増加

これにより肥満を惹起し、肥満になるとさらに喉元についた脂肪が気道(空気の通り道)を狭めていびきや無呼吸を悪化させる悪循環に陥ります。
また寝不足により活動低下が起こり、カロリー消費が低下します。この状態が続くと、インスリンが分泌されにくくなったり、インスリンの作用が弱まったりするため、糖尿病発症リスクが高まります。

このような方は
ご相談ください

睡眠時無呼吸症候群になると、重篤な合併症を引き起こす可能性があるだけではありません。
日中に強い眠気に襲われることもあるため、仕事や学業に支障をきたすようになります。患者様によっては、居眠り運転事故や労働災害を引き起こす危険もあるので、以下のような症状がある方は、お早めに当院をご受診ください。

  • 家族などから「いびきが大きい」と言われた
  • 「寝ているときに呼吸が止まっている」と言われた
  • 突然息が苦しくなり、夜中に目が覚めてしまうことがある
  • 夜間にトイレに行くことが多い
  • 朝起きたときに頭痛がする
  • 起きたとき、過度に喉が渇いている
  • 日中に強い眠気を感じる
  • など

検査について

問診などで睡眠時無呼吸症候群が疑われたときは、まず簡易検査を行います。
近年は携帯型の装置が普及しておりますので、患者様の自宅でこの装置を使用し、睡眠中の呼吸状態の状況を測定していただきます。
鼻の下に、いびきの状態や空気の流れを感知するセンサーを装着し、指に血液中の酸素濃度を測る機器をつけた状態で眠っていただき、睡眠中の呼吸状態や気道の狭窄の有無を調べます。

この簡易検査によって睡眠時無呼吸症候群の可能性が高まったときは、当院と提携している医療機関に入院していただき、睡眠中の呼吸状態、血液中の酸素濃度を測定するほか、必要に応じて脳波や心電図、CT撮影、X線撮影、眼球や胸の動き、睡眠中の姿勢やいびきの音などを調べます。

治療について

CPAP療法

睡眠時無呼吸症候群にはいくつかのタイプがありますが、日本人の多くは「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」です。
この場合は、睡眠中に気道が閉塞しないための治療として、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行います。
就寝するときに、専用のマスクを装着していただくことにより、鼻から気道に向けて一定の圧力をかけた空気を送り込むことができるので、睡眠時に閉塞している気道が押し広げられ、無呼吸や低呼吸の状態が改善します。
鼻呼吸になることで、いびきや熟睡感がないといった症状の改善も期待できます。
とても高い効果があるため、中等度の睡眠時無呼吸症候群の患者様にとっては、標準的な治療となります。

マウスピース療法

比較的に症状が軽い患者様の場合は、マウスピース療法で対応することもあります。
その際は当院と提携している歯科医院をご紹介いたしますので、そこで患者様の口腔内に合った専用のマウスピースを作成します。
就寝時にマウスピースを装着することで、下あごが上あごよりも飛び出ている状態で固定され、気道の閉塞状態を改善することができます。
マウスピースを作成した後は、当院にて睡眠時無呼吸症候群の治療を継続します。

中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の治療

なお、睡眠時無呼吸症候群の中には、上述のOSASのほかにも、脳からの呼吸指令がうまく出ないことで引き起こされる「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)」もあります。
この場合は、脳卒中や心不全などの治療が必要になりますので、当院と提携している専門病院をご紹介いたします。